刺しゅう業界コラム
事業報告:富岡製糸場及び桐生刺繍展視察研修
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 この度、日本ジャガード刺繍工業組合の研修事業を下記内容にて実施致しましたのでご報告します。 
 ※写真をクリックで拡大します。 ※その他の写真はコチラのFaceBookページをご覧ください。 
 【概要】 実施日:2014年11月1日~2日 1.富岡製糸場視察 2.桐生刺繍商工業協同組合合同懇親会 3.株式会社笠森社視察 4.桐生刺繍商工業協同組合「刺繍展」視察 
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 富岡製糸場前にて集合写真 
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 【報告】 富岡製糸場の場内はやや殺風景であったが、案内を務めていただいた初老の男性は言葉巧みに来場者を明治時代へと誘い、巨大な工場を建設する職人、日本に技術を伝えようと腐心するフランス人技師、工場で働く女工、そして確立された技術とノウハウが日本各地に広がっていく様子が次々と脳裏に浮かぶ。 
 繊維工業のルーツとも言える富岡製糸場の視察は、繊維業界の歴史や地域性、そして社会的役割を再認識する貴重な体験となった。 
 その後、桐生刺繍商工業協同組合の皆様と懇親会を行い交流を図った。盛り上がりすぎると翌日も刺繍展に影響するのではと心配したが、パワー溢れる桐生の方々には不要な心配だったようだ。 
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 富岡製糸場内の研修風景 
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 翌日、群馬県桐生市に本社を置く株式会社笠森社を訪れた我々を出迎えてくれたのは組合名の刺繍があしらわれたウエルカムボード。(桐生市は前記の富岡からほど近く、繊維の町としても有名で刺繍が地場産業として定着している。) 
 同社はトリプルオウという刺繍雑貨の自社ブランドを展開し、海外へも積極に出展するなど新境地を切り開いており、その表現やテクニックは見学者達を唸らせ、刺繍の新たな魅力と無限の可能性を感じさせた。 
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 組合名の刺繍があしらわれたウエルカムボード 
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 後に、桐生市有鄰館で行われる刺繍展に訪れた。歴史を感じさせる佇まいの会場では、練り上げられてきた刺繍の技の実演や展示物を見学し、刺繍における桐生という地域の深遠さと、技術と志を受け継ぐ桐生の方々の想いに触れることで、刺繍に携わる者としての誇りが強まったように思う。 
 過去があるから現在があり、未来がある。今回の視察研修は「先人達が紡いできた日本の繊維産業をより良い形で継承していく」という私の情熱を掻き立てる貴重な体験となった。 
 株式会社笠盛・笠原社長様、桐生刺繍商工業協同組合の皆様、お世話になりました。  | 
 
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【報告者】
2014年11月4日
日本ジャガード刺繍工業組合理事
株式会社タナベ刺繍代表取締役社長 田部 智章 氏

















